病院の日の出

 昨夜は安定している様だが、熱も痛みもある様だ。
沢山のクダが着いた状態で、横を向いて体をまたエビの様に曲げたりするので点滴のチューブを押しつぶしてしまわないか、と見ていた。
 昨夜のベテランそうな中年の看護士さんが、それに気付いてチューブの向きを変えたり、ガーゼを代えたり色々的確にしてくれていた。痛み止めもやや血圧が低いので調整しながら流してくれた。
傷口の具合や気になるところも先生に電話して報告してくれていた。
こんな人がずっと居てくれたら安心なんだけどね。

 それにしても雄一は良く手足が動く。それはあり難いが意識は、熱と疲労、痛みのせいか、余りはっきりとは返事してくれない。まだうなずくぐらいがやっとの様だ。
早く落ち着いて話せるようになって欲しい。
もう術後、2日を過ぎたんだからもうそろそろと思うが・・・。

 そんな事を気にしながら、ベタベタの簡易ベットで横になるとすぐに寝入ってしまう。途中何度も看護士さんが、尿や血圧や色々とチェックに来てくれていた。

 5;00
 携帯の目覚ましバイブで起きる。体は重いが、何だか良く眠れた?感じだ。暫くして母親が来て、顔を洗いに廊下に出た。
病院の通路は東西に配置されていてその東側の突き当たりの大きな窓から、強い光を放ちながら太陽が昇っている。そしてその光が廊下を真っ直ぐに照らしていた。
 ちょっと印象的な光景だった。
どんな事が有っても希望の朝はめぐってくる。大きな希望を持とう。